第25章 苛まれる
「あのカード、マミちゃんのでしょ。」
「ああ、そうだよ。」
「マミちゃん、よっぽどいい女なんだね。3ヶ月も続いてるみたいだから。」
「うん。でも、恋が1番。」
「ミスったね。ポケットに入れてるなんて。マミちゃんの策略?」
「違う。完全に僕のミス。」
「酷い男だね。恋が可哀想。」
すると硝子はタバコを咥え、火をつけようとした。
その瞬間、僕は保健室から出た。
校内中を探した。
スマホを出し、電話もかけ続けた。
だけど、いくらかけても繋がらない。
着信拒否してるな。
職員室、教室、武道場、中庭、校庭、そして最後に裏庭へ。
夕陽が沈み辺りが薄暗くなってきた頃、恵を見つけた。
「めーぐみっ!」
「……五条先生。」
相変わらず不機嫌そうな顔。
「恋ちゃん見なかった?」
「さあ?知りませんけど。」
知らないんじゃなくて知っててもおまえには教えてやらないって顔だな。
ガキの頃から見てるんだから隠し事は出来ないよ。
「他のを味見するとますます恋の事好きになれるんだ。」
「恋も他の男を味見すれば先生のこともっと好きになるんじゃないですか?」
ふーん、他の男……ね。
「さては、七海が来たな。」
ほら、顔色が変わった。
「七海はね、ガキの頃から恋の事が好きなんだよ……気持ち悪いと思わない?」
「一途なだけでしょう。」
「お前、七海の味方なの?」
「七海さんを人としても術師としても尊敬しているだけです。」
七海大人気じゃん。
その後、恵から七海が来て恋がのこのこついて行ったと聞かされた。
五条悟大ショック!
まさか、まさか、まさかの七海。
何でこうもタイミングよく迎えにくるんだよ。
どうせ硝子が教えたに決まってるんだ。