第4章 急接近
あかねとオビは、並んで木に座り、見守ることにした。
「主、出られなくて焦ってそうだね」
「確かに。
まぁ、2人きりだからって何かあるとは思わないけど」
「あーまぁ、確かに、主はそういうのなさそうですねぇ」
「純粋に、白雪のことを応援してるだけだけど、
ゼンの立場がそれを許さないこともある」
「…というと?」
「…閉じ込めた男は、後できっちり突き出さないとなって」
「なるほどね
…ちなみに、あかね嬢と俺も今、二人きりなわけですが。」
「は?」
「いやね、二人きりなんだし、何かしとくかな?って」
「........」
呆れた顔で見るあかねに
「冗談ですって」
はははと乾いた笑いをしたオビは、酒でも取ってきます、と言い、あかねの元から離れた。
(監視中って、どこまで監視するのか分からないわ…)
そう思いながら、ぼんやり薬草園を眺めるあかねだった。