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恋はどこからやって来る?(短編・中編)

第71章 右手に陽光、左手に新月〜水柱ver.〜 / 🌊・🎴



「本当に〜? 七瀬、さっきからそわそわしっぱなしだよ?」

嬉しくてたまらないんでしょ。霞柱の継子はそんな問いかけを七瀬に投げた。

「…やっぱり隠せないね。うん、私炭治郎と二人で出かける事が出来て凄く嬉しい」

「ふふ、やっぱりね」

ニヤニヤと含み笑いをする霞柱の継子は、百人一首の本は目を通したか?とも質問をする。

「読んだよ。今度鬼殺隊本部で二回目の大会があるんでしょ? 霞柱は前回優勝したから、今回は出ないって聞いたけど…」

「うん、そうなの」

百人一首大会とは柱達を集めて繰り広げられる決戦の場であり、優勝者には自身の好物を甘味処・以心伝心の店主が一年間限定で作ってくれるのだという。

尚、この費用は当主産屋敷耀哉が支払う手筈となっている。


「前回準優勝したのって炎柱だっけ? 私はその時まだ師範の継子になってなかったから同行出来なかったけど、どんな勝負だった?」

「すっごく白熱した試合展開で、面白かったよー。師範が連続で札を取れば、炎柱が連続で札を取り返したり…」

女子二人が前回の百人一首大会の話題で盛り上がってる中、男子二人はどんな会話をしているかと言うと ——

「冨岡さんじゃなくて僕の継子になって欲しかったな」

「ありがとう! そう言ってくれて嬉しいんだけど、俺は義勇さんから指導してもらいたいんだ」

「ねえ、あの人なかなか話さないけど、大丈夫?」

無一郎が椿油を炭治郎に手渡しながら、今一度問いかけた。
義勇は彼の言うとおり、口数があまり多い気質ではない。口を開けば言葉が足らず、周囲を困惑させてしまう事も往々にある。

「そうだなー、義勇さんは確かにあまり話さないけど、一緒に生活するようになってわかるようになった事も多いんだ」

「へえー…そうなんだ。もっと困ってるかと思ったんけど、意外だね」

「そうかな?」

「うん」


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