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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第1章 ほんとの気持ち 冨岡義勇


「…紗夜、この間の話考えたかァ?」
「あ…それは…」

急に黙ってしまう紗夜。
いい話ではないのだろうか。
俺がここで聞いてても良いのかよく分からないが、何だか気になってしまい…俺は紗夜に問いかけた。

「…話とは?」
「……」
黙り込んでしまう紗夜。
そんなに言い難い話なのか?


「俺の女になれって言ったんだ」

……俺の女?


「俺は紗夜が好きだ。
この前も言ったが冗談で言ってんじゃねェぞォ。ぜってェ泣かせねェし、誰よりお前を幸せにする自信もある。
…… 紗夜、俺んとこ来い」


不死川の告白は、男の俺が言うのも何だが惚れ惚れする様な堂々たるものだった。
紗夜の顔も真っ赤だった。
これはもう、勝ち目は無いような気がした…

やはり、俺は聞かない方が良かったのかもしれない。
この場に居ずらさを感じた俺は、「診察に行く」と言ってその場を去る事にした。

「義勇さんっ…」
「…俺には…関係ない」

俺がそう言うと、何故か紗夜はとても悲しそうな顔をしていて…

何故そんな顔をするんだ…

俺にはその理由がどうしても分からなかった。

悲しげな顔の紗夜を残して行くのは若干心苦しかったが、そのまま俺は紗夜に背を向け歩き出した。

きっと、不死川の方が紗夜を幸せに出来るだろう。
不器用な俺なんかよりも。



好きと言う本当の気持ちを言えないまま、どうやら俺は失恋をしたようだ。




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