第34章 因果※閲覧注意
聞き間違いだと思った。
聞き間違いであって欲しい。
だってその声は、俺を弱くするから。
―――ねえ。なんで?
お前はいつも。
「…………はは、また来た……」
会いたくなかったのに。
燃え上がる炎の向こう側に、最愛の人がいる。
ああ、熱気がゆらゆらと歪んで、お前の顔がよく見えないよ。
「取り付けてた発信機がバレて、途中で投げ捨てられてた!ここまで来るのに時間がかかった…!あの野郎!!!」
「危ないよ。来ないで、凛」
「ふざけるな!!とっととお前を助けて帰る!!」
「……駄目なんだよ。凛。
俺、骨折られて、もう歩けないんだ」
おまけに、縄は簡単には抜け出せないよう、頑丈に縛られている。
もし仮に助けに来ても、これを解いてる間に二人で野垂れ死ぬのが関の山だ。
「だから 、凛。もう帰ってくれ。お願いだ…」
もう今までみたいにはいかない。
俺はここで必ず死ぬし、もしお前が俺を助けようとしたらお前も死ぬ。
だから、だから
「…馬鹿だな、は」
来ないでって
「ッ!?凛!!!」
言ってるのに。なんで