• テキストサイズ

僕と彼女の共同戦線

第9章 容疑者


******

「ほーん!!そりゃまた魅力的な提案だろうな!」
「でしょ?『銃を持ったアメリカ軍が来る』『しかも助けに来るのは囚われの歌姫の友人にして伝説の歌姫ーー』『歌姫達の奇跡の再開の為に君たちの力が必要』と銘打てばイけるでしょ」

電話の前で盛り上がる千空と葵。

話してる内容は物騒なこと極まりないので、周りの人間は電話向こうのゲン含めてドン引きである。

「あ、もちろんゲン君のリリアンの台詞増えちゃうけど、大丈夫?『私の友達がそんな事に…』的なやつ」
「あー…うん。それはいいんだけどね…。葵ちゃんの方はいいのそれで?結構危ない橋渡ってない?」

「え?今渡らなくていつ渡るの?」キョトンとする葵に肝っ玉座り過ぎゴイスーーー!!とゲンが叫ぶ。

「でもまあ、監禁されたとして、多分クロム君の様なガッツリなのは無いしね。下手に帝国民に信用されてる分、きっちりガッツリ監禁したらみんなの反感を余計に買う。とどのつまり、私が捕まるだけで司帝国の求心力である司君への信頼度は弱くなる」

「それはそうでしょうね…。自分ですら勝負に勝つ為の駒にしちゃうのね~、ホントの軍師様は!
まあ言いたい事は分かったし、俺らの方に任せてよ」

「ああ。お陰でクロムのやつを取り戻せたしな。表向き、俺らが助けに行かなくちゃいけねえ人材はないが……」そこで千空が言葉を区切った。
葵も、味方だ。助けるべき人間と、そう思ったのだろう。

「大丈夫だよ、千空。君達が勝つよ。ーーいや、軍師としてついた以上、こう言うべきかな。





ーー君達を何としてでも勝たせる。」

「ああ。テメーに言われなくても勝って、あわよくば無血開城してやるからな」
声だけではあるが、固く強い約束を交わした。
/ 119ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp