第8章 繋ぐバトン
あ、いや!!とクロムが首を振る。
「あーなるほどなあ。見た目で騙しまくってる四天王で、司の重鎮とは聞いてたが、その様子だと相当キレーに騙しきってるんだな、流石軍師サマ、頭もキレる上に使えるもんは使うってか」
ククク、と笑う千空。
「千空。その協力してる葵や君の云う、『軍師』とはそもそもなんなのだ?」
お、おう!俺もそこが知りてえ!とコハクにクロムが同意する。
「あーうん。現代組じゃないと分かんないかもねぇ~そこは…」ゲンがうんうん、と頷く。
「『軍師』っつうのは要するに戦略とか指揮を助ける役目の人間だな。戦争する時は特に重宝する、頭が回る奴だ。まあゲンみてえな奴だな!」
「最後テキトー過ぎない!?しかも葵ちゃんの場合は司帝国の政治とかもっと広範囲に関わってるし!!」
「「なるほど」」
「それで納得しちゃう!?いいの!?二人とも!」
涙目のゲンにおぅでもよ、とクロムが言う。
「アイツ、司帝国からしたら裏切り者だけどよ…
『みんなに、未来へのバトンを繋げ』って言ってたぜ」本当は良い奴なんだろ?と問いかけるクロムに、千空が笑った。
「……ああ。少なくとも、その台詞は、信じていいんじゃねえか」
繋がれたバトン。
ぎゅっ、と右手を握り締める。
(おありがーく貰ったぜ、そのバトン)
こうしてバトンは、葵達から千空達へと渡った。