第10章 【第2章】私と彼の声帯心理戦争
天下三分の計、と称して司帝国の面々を纏めあげる手伝いをして、正式に『参謀』という役職を得た私は、司君と単独謁見する許可も降りた。
司・氷月・自分。ーーこれで、役者は揃った。あとは……チラリと羽京君を見た。
羽京君が望む世界線に導けばいいだけ。
『火器と仲間が居れば』司と戦える、と彼は言った。仲間なら私が集められる。火器であればーー
奇跡の洞窟、硝酸を穏便に引き渡す役目をすれば、クリア出来る。
ーー石像破壊に心を痛めていた彼の事だ。きっと、人が傷付くのも嫌だし科学王国との戦争も反対。穏便に事を済ませたい筈だ。
ーーならその役を私がやるまでだ。私は懐のクイーンの駒を握りしめた。
私は羽京君と共に、今日も朝食作りへと向かう。
さあ、羽京君。私と一緒に『戦争』をしましょう?