第41章 絶対的な『王』の名は
「(褐色肌に…花札の、ピアス…)」
「すまねぇ"イザナ"。橘(コイツ)がタケミっちを庇った」
「(黒川イザナ…!?)」
「お前らは"俺のマイキー"を殺した」
「(俺のマイキー…?)」
「鶴蝶ー」
イザナの登場に戸惑っていると、後ろから怖い顔をした鶴蝶が現れた。
「カクちゃん…?」
「(確か天竺の四天王の一人で…タケミチくんの幼馴染み。どうして彼がここに…?)」
「"花垣(コイツ)"を殺せ」
「……、はい。」
「!?」
鶴蝶の銃がタケミチに向けられる。
「ダメ!!彼を撃たないで!!」
鶴蝶が自分に銃を向けている事がショックなのか、それともイザナの元にいたのがショックなのかは分からないが、タケミチは涙を浮かべている。
「タケミチくん逃げて!!」
ドンッ
鶴蝶は冷たい目を宿したその顔で、引き金を引いた。
「タケミチくん…ッ!!!」
鶴蝶に撃たれ、ナオトの隣に仰向けて倒れたタケミチ。すぐに止血してやりたいが、まだナオトの血は止まらない。カノはタケミチを撃った鶴蝶をキッと強く睨みつけた。
「どうして!!どうして彼を撃てるの!?幼馴染みなんでしょう!?君は何を考えながらその引き金を引いたの!?」
「……………」
「君が…君達が引いたその銃には簡単に人を殺せる弾丸が入ってるんだよ!!」
「さすが看護師だな。命の重さを良く知ってる。そうこれは簡単に人を殺せる道具だ。引き金に掛けた指を軽く動かせば、それだけで何人もの人間が死ぬ。愉快だろ?」
「人の死を…笑って語るな!!」
狂ったように笑うイザナに対して激しい憤りを感じ、鋭く睨みつける。
「オマエを探してた」
「!」
「あの時は逃がしちまったからな。"佐野万次郎"はもういない。だから今度こそ、俺の元に来てくれるだろ?」
「無理だって言ってんだろうが。いい加減しつこいんだよ。私は君に一切興味もないし、着いて行きたいと思う程の理由がない」
「オマエの居場所はもうねえだろ?」
「私の居場所はまだあの人の傍だよ。約束したの、"ずっと傍にいる"って。"絶対に離れない"って。私は君のモノにはならない。私は永遠に万次郎くんだけのモノだよ」
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