第5章 安土城にて
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ルナ「にゃ〜」
るる「んん…。」
ルナの鳴き声で目が覚めた。目を開けると知らない天井が見えた。
あぁ、戦国時代にタイムスリップしてきたんだっけ…。昨日は色んなことがありすぎたな…。
起きあがって布団を畳んでいると襖の向こうから声がかかった。
??「るる様、起きていらっしゃいますか。」
誰だろう…。
るる「はい、起きてますよ。」
??「入ってもよろしいですか。」
るる「どうぞ。」
??「失礼しますね。」
襖が開いて1人の年配の女性が入ってきた。
??「…!申し訳ございません!るる様に褥を片付けさせるなんて…!」
褥って布団のことかな?
るる「だ、大丈夫ですよ!」
あっという間に褥を片付けてしまった。
るる「ありがとうございます。」
梅「いえ、このくらいは。私は女中の梅と申します。昨日信長様をお助けになられた方だと聞いております。そんなお方にこんなことさせられません。」
もう広まってるの?!早くない?!
梅「こちらにお着替えいたしましょう。信長様からるる様にと。」
そう言って梅さんが薄い桃色と白色のグラデーションがかかった小袖を差し出す。
るる「すごく綺麗…。あ、その前にシャワーしたいんですけど…。」
梅「しゃわー…ですか?」
るる「あ、えっと、お風呂に入りたいんです。昨日そのまま寝ちゃったので。」
梅「湯浴みですね。かしこまりました。」
部屋を出て、梅さんと廊下を歩いて湯殿へ向かう。
梅「お迎えが来るまで時間があるのでごゆっくりしてきてくださいね。私はここで待機しておりますので。」
るる「ありがとうございます。」
そこまで把握してるんだ…。あ、信長様に小袖のお礼言わなきゃな…。
しばらく私は湯殿で疲れを癒やした。