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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第6章 キスの味


 俺は確かに言った。「考えるなら、考えろ」って。ずっと俺のことで頭の中いっぱいにしとけって思った。

 けど、その期間はせいぜい1週間、どんだけ長く見積もっても10日間くらいかと思ってた。「少し考えさせて」の少しって普通それくらいじゃねぇの?

 夕凪の”少し”はとんでもない。もう1ヶ月は経ってる。いい加減にしろ夕凪。キレそうになるのをギリギリのところで抑えてる。

「おい、いつまで考えてんだ」
 夕凪の顔を見るとつい口に出る。
「もうちょっとだけ」って言って逃げるように去っていくけど、俺ら付き合ってたよな? 好きかどうかなんて、考えるもクソもあるかよ。即答だろ、そんなの。

 俺の不機嫌がMAXに達しそうな頃、ようやく夕凪から連絡が来た。返事したいからって場所を指定される。

 これがまた、高専の中でも隅っこの方にある俺も2、3回しか入ったことのないようなさびれた教室でよ、よくまぁ、こんな教室があるのを知ってたもんだ。

 自分から俺のところに来るんじゃなくてわざわざそんなところまで出向かせるんだから、いい返事なんだろうな?

 8分程度遅刻して、言われた教室に到着。中に入ると、ど真ん中に机が四つ、2×2で向かい合わせに並べてある。夕凪が教師みたいに机をトントンって叩いて俺を誘導する。

――個別指導かよ。
ほんと滑稽な奴だな。数多くの告白を受けて来た俺もこの個別指導型は初めてだ。

「なに、この机と椅子。担任と面談するみてぇ」
「とにかく座って」

 夕凪は真顔だ。シチュエーションは滑稽だけどとりあえず座って真面目に耳を傾ける。

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