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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第6章 キスの味


――キス。あたしにとっては生まれて初めてのキス。

 人口呼吸のドキドキなんて比じゃないくらいに心臓が高鳴って、悟くんの柔らかい唇があたしの唇に重なっていて、頭がぼうっとしてくる。身体中の力が抜けそうになる。

 最初軽く触れただけのキスは、すぐに離れて2度目は強く押し当てられた。悟くんが鼻先をずらして1ミリの隙間もないくらいあたしに密着してくる。

 全く息が出来なくて苦しい。キスは鼻で呼吸するんだって何かの雑誌で読んだ事がある。

 あたしの不慣れな呼吸に気付いたのか悟くんは一度、顔を離すと、今度はあたしの唇をゆっくり食べるようなキスを続けた。

――キスってこんなに長いものなの?

 どうしていいかわからなくて、あたしはそのまま従順に食べられるようなキスを受け止める。

 唇の刺激が脳に伝わって全身に化学反応が起きてるみたい。体中を巡る温かい血液で肌が赤く染まる。お腹の奥からじんわり熱のようなものを感じた。

 ほんの少しだけ唇が離れたから、あたしはもう一度告げた。
「好き、大好き」
「大放出だな。小出しにしろよ、慣れねーわ」

 近くでつぶやいたから、話しながら互いの唇に触れてしまって少しクスってなる。悟くんありがとう。あたしが後悔しないように生きて戻ってくれたんだよね? 

 微笑むともう一度彼が近付いてきたから目を閉じる。優しく唇が重ねられると、悟くんはそのまま強くあたしを抱きしめた。

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