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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第8章 過保護じゃなくて溺愛ね


「最近ね、悟が凄く何でもやってくれようとするの。
自分で出来ることは自分でやりたいの。おかしいかな?
やっぱり身体を気遣って休むべき?」
「いや、それは悟が過保護過ぎ。
無理しない程度には動いた方が体力も落ちなくて良いと思うよ。
まぁ、真白が辛くなければだけど」
「そうだよね、ありがとう」



硝子がカフェインレスの紅茶をいれてくれて、のんびりと日頃の話をした。
硝子も仕事で忙しいのに、仕事をしつつ私の話に付き合ってくれる。
昔から人一倍優しい。



「ねぇ、硝子」
「ん?」
「……この子は私がなんとしてでも守る」
「そうだね、その為には真白も悟も早めに落ち着かなきゃね」
「うん」



私と悟は未だ婚約にすら至っていない。
結婚したいと思っていても中々上手くいかない。
悟の家が御三家と呼ばれる家ということもあるけど、恐らく1番の問題は私の家だろう。
今は悟が当主と言えども、周りが黙っていない。




「私の家だよなぁ……」
「そればっかりは真白と悟にしかどうにも出来ないね」
「だよねぇ……」



私の家は昔、かなりの権力を持っていた。
それも今の御三家と並ぶ程の力。
その昔は御三家なんて呼ばれ方はなく、私達辻咲家を含めた家柄が巨大な勢力となっていた。
しかし先々代の当主の時、それは覆ることになる。



「あんたも色々言われて来たからね」
「うん。今は表立って私に言って来る人は少ないけど、昔は堪えたねぇ……」



先々代の当主、つまり私の祖父が反旗を翻したのだ。
1級呪術師から、呪詛師へと身を落とした。
名家に有るまじき失態。その責任を取る形で私達はその座を追われた。
今まで交流のあった家とも全て関係が絶たれ、肩身の狭い思いをして生きて来た幼少期。
特級呪術師として活動する今だからこそ言われなくなって来たが、周りの権力者達はしつこい。



地位や全てを捨ててまで呪詛師になった祖父が何をしたかったのか、今となっては誰にも分からない。
でも呪詛師を産んだ家系ということには変わらない。
生まれた時から付き纏う事実。
現当主の父も、辻咲家は自分の代で終わりにすると宣言している。
こんなにも辛い思いをするのは自分だけで良いと。
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