第22章 呪い合い、殺し合い、
付かず離れずの戦いを続けていると、レジィの後ろから麗美の声が聞こえてきた。
ちょうどなずなと戦っている辺りで、助けを求めて叫んでいる。
レジィにあそこへ向かわれると少し困る。
伏黒は顔には出さずにレジィが動きを変えても反応できるように構える。
しかし、レジィは麗美の声を完全無視して伏黒から狙いを変えなかった。
どうあっても麗美を捨て駒にするつもりらしい。
「行かなくていいのかよ?騎士が聞いて呆れるな」
「何言ってるんだ、これは信頼だよ。麗美なら1人でも切り抜けられるって俺は確信してる」
「“別に死んでも構わない”の間違いだろ」
とんでもないと言いたげにレジィは肩をすくめてみせる。
「君こそ愛しのあの子に助けを求めなくていいのかい?お互い出力の高い大技を持たない消耗戦、このまま戦ってもジリジリ追い詰められるのは目に見えてるだろ」
「オマエの相手は俺1人で十分だよ」
「痩せ我慢するねぇ、でも無理っしょ。君じゃ俺は殺せない」
「どうかな……!」
上空から飛来した鵺に掴まり、伏黒は空中に逃れる。