• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第22章 呪い合い、殺し合い、



迫る白刃に麗美は肩をすくめ、頭上で空を切る音が聞こえたと思ったら、すぐ横の木が叩き折られる。

幹は細いが大きな音を立てて倒れていく木を見て血の気が引いた。


「お、お願いだからやめてよぉ!」

「だったら早くここから立ち去ってください」

麗美が涙目で懇願してもとりつく島もない。


足を止めたらやられちゃう……!

なんで?
なんで私がこんな目に遭わなくちゃいけないの?

いきなり結界に閉じ込められて殺し合いをしろって言われて、

今度はここから立ち去れって、逃げろって、

どこに逃げればいいの?

レジィ様から離れたら、私、ここじゃ生きていけない。


分かんない、
分かんないよぉ……!


じわりと涙が出てくる。


「レ、レジィ様ぁ!助けて、私を助けてよぉ!!」


少し離れた場所にいるレジィに懸命に助けを求めるが、その声は届いていないのか、こちらには目もくれない。


「ねぇってば!レジィ様、お願い!」

叫んでもレジィがこちらを向く気配はない。


助けに来てくれるって言ったのに、なんでこっちを向いてくれないの?

私の騎士になって、私を守ってくれるって、


なのにどうして来てくれないの?


膝から力が抜けてその場に座り込んでしまう。




逃げる気力はもうなかった。



/ 1233ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp