第22章 呪い合い、殺し合い、
高羽を見届けたなずなも鬼切を構え、麗美に狙いを定めた。
あの様子なら高羽さんは大丈夫。
それよりも早く恵くんに加勢しないと。
恵くんが相手にしてるレジィって人が一番得点が高かったし、リーダー役みたいだった。
多分敵の中で一番強い。
ここまで1人で3人を相手にして怪我もしてるから、私がモタモタする訳にはいかない。
一刻も早く加勢するためには……!
なずなは麗美を間合いに入れると峰打ちになるよう鬼切を握り直し、迷わず振り抜く。
威嚇も兼ねた大振りの攻撃だったため、麗美も咄嗟に身を伏せて避けるが、間髪入れずに次の攻撃を仕掛けようとしてくるなずなの気迫に気圧された。
「ちょ、ちょっと待ってよぉ!」
「待たないです、すごく急いでいるので。ここからすぐに逃げるなら追いません。戦いたくないのならそうしてください」
植木の向こうに逃れようとする麗美を邪魔な木を切り倒して追いかける。
一見、麗美はなずなから逃げてはいるものの、レジィの指示を気にしてか鬼切が届く範囲を出ると逃げる足を止めるような素振りだ。
なずなもそれを見逃していないため、徹底的に追いかける。
まだ、まだだ……!
この人、戦意はないけど逃げる気もない。
私が恵くんを助けにいけばきっと隙を狙ってくる。
ここで確実に戦闘不能にさせないと……!