第22章 呪い合い、殺し合い、
一方、対する伏黒は麗美が再び出てきたことに舌打ちした。
諸共爆撃に巻き込まれて死にかけたというのに、それでもレジィに従う心理が全く理解できない。
「どうする?ふし、あ……め、恵くん」
「慣れねぇなら無理しなくていいぞ」
苗字が出かけて慌てて言い直したなずなにそう伝えるが、なずなは勢いよく首を横に振る。
「だ、ダメだよ、これは後戻りしちゃいけないことな気がする……!」
なずなが頬を染めて言い張るその様子に伏黒のレジィや麗美に感じていた苛立ちが急速に小さくなっていく。
不意にそういういじらしさを出さないでほしい。
伏黒はフッと息を吐き、改めて敵方に目を向けた。
「3人を分断したい。あの麗美って女は髪を硬化して武器にしてくるけどそこまで強くない」
なずななら気絶させることも容易いだろう。
殺さなくていいからなと念押しして次は高羽に目を向ける。
「アンタは……」
「高羽って呼んでね」
「高羽は俺達側の戦力としてカウントしていいのか?」
「俺がいなくちゃ2対3だろ?それじゃあ公平じゃない。助っ人として考えてくれていいぞ」
グッと親指を立てる高羽を信用したものか一瞬迷ったが、先程自分達を身を挺して庇ったのだからと無理やり納得し、戦力に含めた上で組み立てる。
「じゃああの黄櫨って爆弾野郎を頼む。おそらく体の一部を爆弾に変える術式だ。しかも反転術式を使える」
高羽は既に1発もらっているので分かっているかもしれないが、一応忠告しておく。