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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて



伏黒は領域を拮抗させるだけで精一杯、式神を防ぐ手立てがない。


それを見た途端、なずなを竦ませていた恐怖が霧散した。
ざわりと悪寒に似た何かに駆り立てられる。



伏黒くんの所へは行かせない……!



直感的に海に浮かぶ蝦蟇の頭を足場にして式神の行手を阻み、一息で頭を切り落とす。

自分でも信じられないくらいの瞬発力だった。


あと1匹、と振り向くと既に七海が両断している。



しかし、その七海を見たなずなはヒュッと息を呑んで瞠目した。


「七海さん、目が……!」


七海は式神に特にひどく噛みつかれた箇所から出血しており、左目が潰れてしまっている。
怪我以外にも服はところどころ破れ、サングラスも無くなっていた。


「死ぬ程の怪我ではありません。今は呪霊と式神に集中を」

「は、はい」


七海の真剣な声色に促され、なずなは再び陀艮を見据えた。



必中効果が消えたことで、式神の勢いはだいぶ削がれたが、七海は気を緩めずに伏黒に尋ねる。


「伏黒君、一緒にいた2人は?」

「猪野さんはリタイア、虎杖は別行動です」

「……君は私と渡辺さんで守ります。領域に集中してください」



あの数の式神に喰いつかれてもまだ戦えている七海に陀艮は瞠目した。


式神の大群におよそ1分間貪られたのだぞ、
あれに人間が耐えられるわけない。

とっくに喰い尽くされていておかしくないというのに!



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