第37章 繋ぐいのち、五条と春日の鎹
「早くねんねしないとママ、今度はドラミングビート刻んじゃうからパパがこうしてる間に寝ようね~?」
『私はパンダか??』
「あら!即寝…、ハルカシッ、子供が起きちゃうから黙ってて……っ」
『……ッ!』
何かツッコミしそうな顔で必死に口の中を噛んで、口がカニさんみたいになってる僕の奥さん。子供に妻にこんなに可愛い家族に囲まれちゃって困るよ、もー。
バスケットの中にそっと寝かせて、タオルケットを被せてさ。優しくぽんぽんと胸の辺りを叩いて。すやすや眠る顔を僕もハルカも一緒になって覗き込む。僕ら夕飯を少し口にした所だけどご飯所じゃないよねえ……基本、日常生活がこんなふうに子供中心になってしまった。
声を大きくしないで僕よりも上から覗き込むハルカを見上げる。
「……ねえ、だからさ。蒼空預けたら二人目作ろうよ」
……ここんところ、仕事だ育児だって忙しくてそれどころじゃなかった。
ただの愛情確認も性欲の発散も出来ず、ただお互いにくっついて安心して、睡眠の為にベッドで過ごす日々。
僕の性機能が落ちたわけじゃないよ?きっとハルカもそうだと思う。機会が与えられれば僕はすぐにでもしたい、妻をめいいっぱいに愛したい。
"多忙"……そんな理由で子供を慈しむ姿や素肌を見せる彼女に抱く感情を抑え込んでた日々をなんとかしたくてさ。
──要するに、ヤりたい、と。
母親になったとしても、ハルカは女性なんだ。僕が妻にしたいと、何が何でも欲しいと思った人だから彼女に向ける情熱は止まらない。
欲情は溜まる一方で、このままだと僕の何かが暴発する。その時、疲れていたり、その気じゃないハルカを無理矢理に抱きたくはないし……そういう機会が欲しいってのもあるんだよ…。
ねっとりとした視線を彼女に向ける。今日は出来ないのを分かってるけどハルカを見上げれば視線が泳ぎ、頬も耳もじわじわと熱を持ち始めていく姿がたまらない。
『もう、次の子……作るの…?』