第22章 キミは蜘蛛の巣に掛かった蝶
「どうせ任務もギリ関西だったし伊地知にホームルーム任せてこっちに来ちゃったのよ。
あーあ!ハルカにはご飯かお風呂か僕かの質問には即答でさ・と・る!って言って欲しかったなぁぁー!今日はお風呂場で駅弁スタイルで激しいのしたかったのにぃ~」
私の体を抱えて悟が揺するアレをしたかったらしいけれど。残念ながらそれは叶わないんだよなあ、と彼から視線を反らし、自身の毛先で遊ぶ。日中に予感がして、トイレに駆け込めば生理が来てた。だから今日から数日はえっちは出来ません。それを言ったら絶対に残念がるだろうな……。
悟はキラキラとした、まるで曇りなき眼(下心たっぷり)で私をじっと見つめて「てなワケでしよ?」と片手を私の肩に置く。その視線を反らさないままに手に私は重ね、掴んで降ろさせた。
『ごめん、悟。生理きちゃったから無理、お風呂も別ね。えっちは生理が明けるの待ってくださーい』
「………」
あ、フリーズしてるわ、今のうちに部屋上がろ。
靴を脱いで部屋へと上がる。視界に口元を歪ませて嫌そうな顔が映った気がしたけれど……こればかりは仕方ないじゃんね?
着替え、着替え……と制服を脱ぎ、私服を側にたぐり寄せていると悟が小走りでその着替えを邪魔する。片手はおたまを持ってるから、空いた手で私の手首を掴んでる。
私は上着を脱ぎ、上はインナー、下はまだスカートとストッキングの状態だった。
『着替えらんないんだけど?』
「朝はしたじゃん!なんでじっくりたっぷり出来る夜に出来ないようになっちゃったの!?僕楽しみにしてたんだよ!?今日ずっとハルカとヤる事ばっかり考えて半勃ちになりながら過ごしてたのにっ!セックスボイコットか?やっぱりセックスボイコットしてんの、ハルカの中っ!空気読んでよっ!」
ちょっと潤む瞳の悟はおたまを持った手、人差し指で自身の下半身を指してる。薄ピンクのフリル付きエプロン、その生地がもこ、と内側から盛り上がってるのが確認出来て。
いや、うん……したくてもさ?出来ないものは出来ないのであって。黙って私は首を横に振るしか無い、我儘に付き合って不衛生な行為はしたくないし……。
『出来ないもんは無理、だから引っ込ましなよ、そのタマゲタケ』
「モロバレルですぅ~!ハルカとバトルしないと引っ込まないのっ!したかったのに!」
