第4章 新たな門出
背中を全て起き上がらせると、ダンデはサッと背に回していた手を離した。
少しダンデと距離ができたはホッとしつつ、起き上がるのに手伝ってくれたダンデにお礼を言った。
「ありがとうございます(イケメンはやっぱりやる事もイケメンだな)」
「どこか他に痛むところは?」
「んー・・・あとお腹もちょっと痛いかもしれないです」
一体自分に何が起こったのか全くはわからなかった。目が覚めたら見覚えのない天井と、ダンデにおはようと言われ、背中とお腹が痛い。思い返そうと、は考えてみるが、スッポリと記憶が抜けたように思い出せなかった。
そんなの様子を見たダンデが、頬をかきながらゆっくりとことの成り行きを教えてくれた。
「・・・まぁ生きてたらそんな事ありますよね。ウールーは無事ですか?」
「ああ、今はモンスターボールに入って反省しているらしい」
そっかーっと簡単に納得した。
(何にも致してなくて良かったー!!!全ダンデファンに殺されずに済む)
そして心の中ですごく安心したのだった。
のほほんとしたの様子を見たダンデは、が起きてから急に静かになったホップとゲンガーを見た。
ホップはゲンガーの後ろに隠れながら、こっちの様子を伺っていた。
「ホップ、おいで」
ダンデにそう言われ、ホップはおずおずとゲンガーの後ろから出てきた。そしてダンデの横に立つと、ホップはに頭を下げた。
「ごめんなさい!!!」
「!」
ホップの大きな謝罪の言葉は、ダンデの部屋中に響き、はびっくりしたが、つい最近似たような頭に既視感を感じた。
(ゲームの時より少し幼い!可愛いな・・・てか部屋にいたんだ)
は苦笑いしながら、ホップに声をかけた。
「君のウールー、いい転がるだったと思う!」
「え」
頭を下げていたホップは顔を勢いよく上げ、を見た。
はにっこり笑いながら話し続けた。
「何が起こったか全然覚えてないけど、最高に効いたよ!もしホップくんがトレーナー目指してるなら、これからも頑張ってほしいな」
「う、うん!俺兄貴みたいな強いトレーナーになるんだ!」
そう元気よく言ったホップの顔に一点の曇りもなかった。