第4章 新たな門出
つい最近までいたアローラ地方のことを思い出したは、二人は今頃バトルタワーで暴れているんだろうかと遠い目をした。
会いたいと思ったが、今の自分を見せれるほどは自分に自信がなかった。なかったというより、見られたくないと思ったのだった。
昔の自分を知っている以上、すぐにいつもの自分じゃないことがバレるのが怖かった。
「あ、博士。二人にはくれぐれも私がガラルにいることは伏せといてください!」
「なんでじゃ?二人には会わなくていいのかね?」
「今ちょっと秘密の特訓してるので、それが終わるまでは内緒にしたいなって(チャンピオンカップに出るなんて行ったら大騒ぎされそうだし二人もきそうで怖い)」
「・・・そうかそうか、なら黙っていよう」
「終わったらちゃんと連絡しますね」
「うむ、待っておるぞ」
ピッと通信の画面がきれ、真っ暗になった画面には自分の顔が映った。
(博士、元気そうでよかったな)
手元にあるボロボロのポケモン図鑑を見て、どうか直りますように!とはマグノリア博士、ソニアに祈った。
そしてついでにメールの確認をすると、待っていたメールの返信を見つけて
は喜んだ。
「自転車屋さんからの返信!しかも昨日のだし。えーと、自転車直ったんだ!やったー!!図鑑もだけど、自転車もタイヤ以外のところがヤバくなってて困ったけど、さすが都会は部品が揃ってる!確かマグノリア博士の家って町から離れてたよね、自転車引き取ってから行こうっと」
カバンから手帳を引き出し、図鑑と自転車の予定を書き込んでいく。
ザッと予定に目を通して、残り2ヶ月を切ったチャンピオンカップに向けて、は少し緊張した。
「バトル・・・できるようにがんばらなくちゃ」
パタンと手帳を閉じ、はナックルシティで最後の旅に必要な物の買い物をしに出かけた。