第8章 ジム巡り②
砂掛けが効いているのか、時々攻撃が定まらないギャラドスの逆鱗に、ズルズキンは避けて好機を狙っていた。ただギャラドスの頭だけを避ければいいというわけにはいかず、ギャラドスのうねる巨体は長く、時々胴や尻尾がズルズキンに降りかかり、とてもじゃないが反撃のチャンスは中々見つからない。
あるとすれば、それはギャラドスが疲れ果てて混乱するのを待っていると、はネズがズルズキンに逆鱗を避け続けさせていることからわかった。
そろそろギャラドスの逆鱗も終わる---は直感でわかった。砂掛けで手間取ってはいるが、ズルズキンに攻撃は当たらずとも、疲労が溜まってきているのは目に見えてわかった。
息を乱し始めたズルズキンは、ギリギリでギャラドスの攻撃を避け、瓦割りで弾き返したりしていた。
が、ついに決着の時は来た。
ようやくズルズキンに体当たりを決め込んだギャラドスが、瓦割りで受け止めていたズルズキンを力任せに押し当たると、一瞬後ろに怯んだズルズキン目掛けて尻尾を振り下ろしたのだ。
「ズルズキン!」
ネズは尻尾の下敷きになったズルズキンに叫んだ。
そしてギャラドスから怒りが消えると、頭をフラフラさせながら振り下ろした尻尾をどかした。
「ず…ズル…」
尻尾に下敷きにされたズルズキンは少し地面にめり込んだものの、手足に力を込めて立ち上がった。まだ戦える様子のズルズキンを見て、ネズは顔には出さなかったがホッとした。
「今だズルズキン!しっぺ返し!」
ギャラドスが混乱している今、ネズは畳みかけるようにズルズキンに指示を出すと、ズルズキンはしっぺ返しをギャラドスに向かって飛ばした。
「ギャラドス、もう一度逆鱗!」
も混乱しているギャラドスに指示を飛ばした。フラフラと頭を揺らし、状況が分からないギャラドスは、の指示が確かに聞こえたが、混乱してどうしていいか分からず、ジタバタと暴れ出した。