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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第36章 聞こえない音  お相手:宇髄天元



「嫌い…です」

「あ、そ」

「だからっ、…嫌いだって…
言ってるんです…」

「ふーん、で?どうなの?」

嫌いって言っても聞き流されてしまって

言葉とは裏腹に流れ落ちる涙を
宇髄が唇で受け止めて

「じゃあ、何で…泣いてんの?お前」

「…嫌いッ…、宇髄さんなんてっ
…ぅ、く、嫌…い…なのにッ」



「嘘」



そう 小さく言われて
余計に涙が零れて来る

嫌いだなんて 言いたくなんてないのに

だって…私は

「天元…さんッ、好き…ッ」

「そ、俺も好きだわ、知ってたし」

その身体に自分の身体を預けて
そのまま縋り付いた

「好き…なの、天元…さんがッ、好きなの」

「ただの好き?」

よしよしと私の頭を撫でる
大きな手の感触も

「好きッ…、大好き…」

そのまま 唇を唇で塞がれて
ゆっくりと口の中に
彼の舌が押し入って来て
口の中のひとつひとつを
確かめて行くような

そんな 確認をする様な口付けをされる

まるで 私を自分の舌に
記憶させるような

そんな口付けだな…思ってしまって

私が 忘れて欲しくない

彼の記憶に残りたい
あり続けたいと…願ってる事すらも

彼には全てがお見通しの様であって

私と言う 存在を
憶え込ませる様にして

そうされてるんだって 感じる


無くなるだけの 存在の私を

遺してしまって いいのだろうか?

残して しまっていいのだろうか?


そんな私の迷いすらも…

憶えて居てくれるつもりなのだろうか?


「考えごとしてんじゃねぇよ。
俺の事だけ、見てろ。
要らん事ばーっか、考えなくていーの。
お前が考えていいのは、俺の事だけな?」

不思議だ そう言われたら
そうなんだって 思えてしまう

これも 大魔法使いさんの

魔法なのだろうか?

でも 今は…それに溺れて甘えてしまいたい

そのまま 何度も口付けを繰り返した

数えきれないほどに



何度も



何度も



終わらせようと 離そうとする度に

また口付けられてしまって…


終わらない…


「んッ、ふぁ、…ん、ぁ…」

「…は、…みくり…」


それから どれぐらいの
時間が経っただろうか


「いい加減にしねぇと、お前のトコの
メイドに、怒られんな…。みくり。
また、明日…来るわ」



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