第33章 絶対君主のお気に入り お相手:煉獄杏寿郎 Rー15
第3夜 一握の砂の…中に…在るは
この後宮における
私の立場…と言うのは
正式な王妃ではなく 王妃代行であり
言わば… あまり聞こえのいい
言い方ではないが……
”寵姫”と言う方が正確なのだろう……か
そして 今 私が
その自分の立場を考えているのには
理由があって
ニコニコと私の隣に円卓を囲って
座っているのは白薔薇姫で
その反対側の隣には少し
機嫌が悪そうな赤薔薇姫が居て
このお茶会の主催者である
鈴蘭姫がみくりの向かい側にいて
鈴蘭姫の隣には菖蒲姫と
後そのお隣の……方は……
近くでその姿を見るのは初めてであるが
第八王妃の牡丹姫様だ…
牡丹姫様は…確かスルタンより
4歳年下の20歳で
とても 豊満で豊かな乳房と
大きなたれ目が特徴的な
そのたれ目の目の下の泣き黒子が
何とも色気がある王妃様で
お胸が寂しい私から見れば
羨ましい限りの……存在であった
「はぁ、私も見たかったなぁ~。
昨日の禊の儀式も、食事会も…参加
出来なかった……し」
全身から色気が凄まじいのに
意外と口調はあっさりとしていて
性分的にはさっぱりとした性分な方の
印象を受けた
ジッと視線が 私に向けられているのが
分かった
私の場違い感を 痛いくらいに感じていると
正面に座っていた鈴蘭姫が
こちらに身を乗り出して来て
「ねぇ。貴方……大丈夫なの?
見た所…、体調は良さそうだけど…」
その隣の琴の名手の菖蒲姫が
同じようにこちらに身を乗り出して来て
「だって、貴方……。
一昨日も、昨日も…お相手を
なさったのでしょう?スルタンの…」
と菖蒲姫が言うと
それに付け足す様にして
昨日一切顔を出さなかった牡丹姫が
「スルタンのお相手をしたら…、
私いつも、
……2日くらい寝込んじゃうもん」
と言う事は…
昨日は牡丹姫様は……
スルタンの夜伽が原因…で
寝込んでいた……と?
「ねぇ……、どうしてなの?
どうして、みくりは平気なの?」
私の腕に自分の腕を
絡めながら普段のあどけない顔から
想像の付かないような
そんな蠱惑的な表情をして
白薔薇姫がみくりに問いかけて来る
それをどうしようかと
引き剥がすのも忍びないと
思っていると
左隣から赤薔薇姫がくいっと
私の衣を引っ張って来て
注意を引いてくる
