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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第33章 絶対君主のお気に入り お相手:煉獄杏寿郎 Rー15


いつの間にか

彼に組み敷かれていて
その腕の牢獄に囚われてしまっていた

でも……囚われてしまっているのは

身体の自由……だけではなくて

赤い…… 二つの太陽が

私を見下ろしていて

その赤が揺らぐ様すらも…

思わず……

ため息を漏らしてしまいたくなる程に

美しいとすら…… 感じている

自分が居て…

その視線の呪縛から 逃れられない……

その鋭い程の視線が 言っているからだ


私に 彼を… 拒むことを……

許されていないから……だ


「君のその心こそが……、
俺からの寵愛を受けるのに相応しい…」


グッと両手首を掴まれて
そのまま床に縫い留められる

「…ーーっ、ス、スルタン……様?
手を…、放して…っ」

「……俺を、拒む…のか?」

「ですから、私は……ご所望に
応じる事は、出来ませんっ」

ギリッと手首を掴んでいる
手に力を込められてしまって

「…俺を、拒みたいのなら…。
全力で抵抗するなり、大声を上げるなり
すればいい。みくり。
だが……、君の中にほんの一欠片程にでも。
砂漠の砂の…、一粒程にでも
俺を……受け入れたいと
言う気持ちがあるのなら…。君に…」

スルリ…と

私の手首を痛いぐらいに
掴んでいた手が離れて

自由が戻って来る

私の手首を掴んでいた杏寿郎の手が

私の頬に触れていて

いつの間にか 溢れていた涙を

指先で拭って行く

「………い…です、貴方様は……。
そんな風に言われたら……、
言われてしまったら……、私には……」

彼はズルい

拒む事すらが…難しいとすら

そう思えてしまっていて…

いるの……に


「なら、そんなつもりは…全くないと
言えばいい…。俺に…、言えばいい。
みくり、君の口から…、言ってくれ」

杏寿郎のその言葉は
そう言えば…全てが無かった事に
できると…そう言っていた

拒まないと…いけないのに

そんなつもりは ないのだと
言わなくてはならないのに…


自分の唇であるのに
まるで 言葉など…忘れてしまったかの様にも

そんな風にも感じてしまって…

ただ ただ

その声にならない 感情が

涙になって 零れて行くだけで


否定する言葉も 紡げないでいて


それでいて…… 彼を


肯定する言葉も…  紡ぐ事が出来ない…


だって それは…

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