• テキストサイズ

【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第11章 ラングラー











「前にウチに来てくれたやろ? あん時に、なんかな」

『………』

「まぁ、ええわ。 気ぃつけて、楽しみや」

『は…い』










すごいな信介さんの存在。
この歳になって、まだ仕事もしていないこの状況のわたしは。
高校時代部活もしてこなかったわたしは。

こんな風に叱られることってあんまりなくて。

…あ、宮城のおばあちゃん、それにうちのお母さんは結構、
ピシャッと叱ってくれるけれどでもそういうことってもうほとんどなくなったし。

なんか、信介さんみたいな存在って初めてだなって。




ぼんやりとさせたままでいようと思ってしまっていたことを、
明瞭にされて、ものすごいざわざわを感じながら…
すごい安心感を感じてしまう。











「穂波ちゃんは信じられてるやろ、えらいぎょうさんの人に。
その気持ち忘れたらあかんで。 まぁ、わかっとるやろし説教くさくなってまうでこれで終わりにするわ」

『はい、ありがとうございます』

「何やっても結局信じてまう、誠実さみたいなのがあるんは分かってるで。
でもだからこそな、なんでもやってええには絶対したあかんやろ、本人は」

『はい』

「俺もばあちゃんもそんな穂波ちゃんのええとこ、魅力みたいなもんに取り憑かれとる人間や。
だからなんやいう感じやけど。 まぁ、またアメリカから帰ってきたらおいでな」

『はい、必ず行きます』

「…じゃあな、もっぺん治に代わってもらえるか?」

『はい、今日はありがとうございました……』

「ははっ もうええって、いつももうちょっとフランクにしゃべるやろ? そのくらいがええわ。
まぁ、反省の色はひしひしと感じるで、ええけどな。 じゃあな」

『はい、治くんに代わります…… あっ、北さんによろしくお伝えください』

「おー、伝えとく。 手紙大事にしまって時々読んでるよ」

『…ん、アメリカからも書きます』

「言わんでもわかるけど、せやな、楽しみにしてるな」











それから治くんが少し話して、電話を切って。

2人、静けさに包まれる。











/ 1069ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp