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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第7章 su casa








「…配線手こずった」

『ふふ。 お疲れさま』

「…ん、このカップで飲んでいい? ていうかグラスまだ届いてない?」

『…あ、そっか。グラス届いてるっけ?』

「いやまだかも」






グラス、頼んだんだった。
中川政七商店のthe glassのシリーズ。
ショートとトールをとりあえず4個ずつ。

研磨くんと一緒に考えた。
割れにくくて、買い足しやすくて、普遍的で。
できたらそのブランドやそのシリーズにストーリーがあって。
もちろん見た目も好みで。

やっぱりこれかなぁ、無駄がない。って研磨くんが言って。
わたしも第一候補だったそれを、買うことになった。

ひとつひとつ選ぶのは、根気がいるけど楽しい。






「まぁいいよ、そういうのはゆっくり開けよ」

『うん』







何かを開封するときのエネルギーって絶対伝わると思う。
そんなことが好きな小説にも書いてあって、そんな話を研磨くんにしたことがある。
その本を読んだあとに、きっとやや、興奮気味で。

そしたら、なんかわかる気がする。って言ってた。
研磨くんは、ゲームの箱とかなんでも、丁寧に開ける。
わたしがその話をする前からのこと。
きっとずっと、当たり前にやってること。







「…蕎麦屋、行こっか」

『うん!』

「おー、引っ越し蕎麦?いいとこあんの?」

「歩いて15分くらいのとこにあるんだけど…行こ」

「いいね〜!研磨、クルーザー乗ってけばいいじゃん」

「…いい、今は歩くから」







そんなわけで、6人でいざ、お蕎麦屋さんへと歩き出す。



















山本くんはざるそばとカツ丼のセット。
他の5人は天ざる。









「ここまでの道もいいし、ここも来やすいし、いいとこだな」

「ほんとっすね、なんか研磨が猫化してく感じ」

「よくわかんない…」

「より気持ちいいとこへ、より快適なとこへ …ってか研磨、合格おめでとー!」









周平が水の入ったグラスを掲げる。









「いやそこは引っ越しおめでとーじゃねーの?」

「いやそうなんだけど、まだ言ってなかったなって思って俺。LINEでは言ったけど。
そんなわけで、おめでとー!」







ひゅーとか少し声が上がって、グラスのぶつかる音がする。



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