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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第7章 su casa









3月5日(金)







池袋のビックカメラに来てる。
レッスンバッグは駅のコインロッカーに入れて、身軽な状態で。







「うちの親がテレビと冷蔵庫は買うらしい」

『あ、そっか』

「別に良いって言ったんだけど。ただでさえ出費が無くなったんだからって言ってた。
普通に学費とかあるからいいのに」







普通はそこに引っ越しの費用も、家賃も生活費もかかるんだもんね。
それをもう、いらないってできる研磨くんがすごいし特異なパターンのはずだ。







「学費も払えると良いんだけど。とりあえず初期費用かかるし。今年はしょうがない」

『……』






いつも通りの声色で、いつも通り淡々と、何でもないことのように親孝行発言をしている。
研磨くん。かっこいいし、きゅんです。きゅううん。






「クロに言ったら、ありがたく買ってもらっときなさいって」

『うん。買いたい、何かしたいってきっとあるよ。
もうちょっとお世話させて、じゃないけどさ、想像でしかないけど… きっと』

「…その分で旅行とか行けば良いのに。おれももう家にいなくなるんだし」

『…ふふ それならいつか、旅行をプレゼントできるといいね。
わたしも、そんなことできるといいなぁ』

「…ん、そだね。旅行にして返せば良いのか」

『ね。 パソコンとかはもう頼んであるの?』

「うん、パソコン関係は頼んだ。引っ越しの日に届く。
って言ってもまだ、スクリーンとして使うだけだけど。上手くいったら、そうだね… うん」

『プロジェクターとスクリーンは、ツトムくんがくれるってね』

「ね、去年のインスタレーションで使ってたやつどこのか聞いたら、
逆にいろいろ聞かれた挙句、買わないでねって言われた」

『…ふふ 言ってた。 お兄ちゃんがクリスマスにパソコンあげた時点ですごく悔しかったんだって』

「…クヤシイ?」






ツトムくんは研磨くんのこと、可愛い弟みたいってずっと言ってて。
お兄ちゃんに先越された感じがして、悔しかったって。…まぁ、半分冗談だけど。

それから、投資だとも言ってた。倍返しどころじゃないのが返ってくるからって。
それは完全に冗談だけど、でも本当になりそうな気迫…じゃないけど、
何かそういう流れみたいなのを、この頃の研磨くんからは感じる。








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