第6章 リレー
「5歳ちげーんだな!」
「………」
「研磨も結婚とか考えてんの?」
「…ケッコン」
「学生のうちにもできるって知らなかったわけじゃねーけど、なんか忘れてる選択肢っつーか」
「………」
「おれはな!おれはだけど、へぇー!みたいな感じになったぞ!それで研磨に話そうって思ってたんだ!」
「………」
結婚したいとは思う。
何なら次の誕生日きたらすぐにでもしたい。
そもそもなんで女性は16、男性は18なんだろ、とか思うけど。
女性は養ってもらう前提なのが時代錯誤だな、とか。
でもまぁ、実際結婚したいって思う男の身からしたら、
正直、養うから、困らせないから、みたいな自信はほしいし。
好きなひとのこと養いたい、とかはチョット、思わなくもない。
だから、16歳以上ってのはわからなくもないかな、とも思う。
…でもそれはふわっとしてるし、
遠くない未来にきっと、法改定されるんじゃないかな、とか。
「結婚、すんの?」
「…そりゃ、いつかは」
「だよな!すっげー楽しみ!」
「え、何が」
「え!結婚式とかすんだろ!? え!呼んでくれるよな!?」
「…え」
ケッコンシキ…?
「ぱーんぱーぱぱーぱー ぱぱぱぱぱーぱーぱー♪ みたいなさ!」
「え、いや…」
そういうのって必要なの?
「あー、でもなんだっけ!和装してするのもあるよな!あっちも良いよな!」
「………」
「…?」
「翔陽って…」
「…なんだ?」
「ケッコンシキ詳しいんだね」
「えっ!? いやっ 全然詳しくねーよ!
でも…あれなんだよ、夏のごっこ遊びとか人形遊びで登場したりすんだよ!」
「…へぇ」
「そういうのすっげーこだわってうるさいんだぜ? 目、キラッキラにさせてさ」
「…ふーん」
結婚って、なんか、おれと穂波がずっと一緒にいる、みたいな。
紙の上のことだけど、そういう覚悟みたいな。節目みたいなものだと思って。
それでしたい、って思ってたけど。
ケッコンシキがしたい、ってそっちに憧れる人も少しはいるってこと?
…よくわかんないけど
それはおいおいその時になったら穂波の考えもわかるよね。