第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
ー穂波sideー
白布くんがシャワー浴びる前に洗面所を借りて顔を洗って。
さっと支度を済ませて、荷物を持って下に降りて、
それから朝食の準備を一緒にさせてもらった。
バランスの取れた彩の綺麗な朝ごはん。
白布くん家、って感じする。
蛍くん家も、研磨くん家も、そう思う。
朝ごはんを覗かせてもらえるっていうのは楽しい。
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「じゃあ、穂波、またな」
『うん。またいつでも連絡してね?』
「おー、穂波も。じゃあな、アメリカ気をつけろよ… 何にかわかんねーけど」
『うん、迷子にならないように気をつけるね』
「…じゃあ」
『………』
「…ハグ、する?」
『………』
白布くんからのハグする?って。
まだ少ないけど確かに重ねられたいろんな思い出が呼び起こされる。
いやがってたのに、な。
「…んで、無言…… っわ」
白布くんが腕を広げるより先に抱きついた。
たくさんの想いをハグに乗せて。
一緒に時間過ごせて嬉しかったよ、ありがとう、
また会おうね、その日までお互いにお互いらしく、健やかに。
白布くんの腕がぎゅってわたしの背中に回されて。
しばらく、テレパシーみたいな、ハグ。
「…じゃあ、また」
『うん』
「あの、さ」
『うん?』
何度も引き止める白布くんって、ちょっと意表をつかれる感じ。
きゅんとする。
「俺、穂波のことさ……」
『………』
「好きじゃねーわ、多分」
『………』
およ。
「愛してる …かも、 …って彼氏でもねーのに、きしょいな、悪い忘れて」
『………』
「いやマジでその顔やめろ」
『…ん、 I love you too, 白布くん。 嬉しい、ありがとう、だいすき』
この流れで愛してる、はさすがに返せなかったけど、
英語にのせると伝えやすい気持ちがあったりする。逆も然り。
侑くんや治くんの軽さを持った 愛してんで、ですら心臓がぎゅんとなるのに。
白布くんからのそれは、ちょっと、何か返事をしないと沸騰して蒸発してしまうと思った。