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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第16章 釘


ー月島sideー








宮侑の隣…顔を映さないために宮侑よりカメラから離れたとこにいるとはいえ、
とにかく隣でギターを弾きながら歌ってるのが穂波さんなのは明白だった。



いろいろなことを思った。




まずは、あのコメントしてからこの短期間でほんとに会いにいったんだ…?ってこと。
今穂波さんスケジュールいっぱい詰め込んだ夏休み過ごしてるよな?ってこと。

それに伴う嫉妬心と不安。

いや、普通にギターうますぎだろ、とも思ったし、
宮侑、歌上手いな、とも。 2人でハモってるし…

…どんだけ練習したんだよ、とかやっぱ嫉妬心は否めない。










伴奏としてのギターの中に、ベース音となる低音を強調させて弾く技術とか…
とにかく慣れた様子でギターを弾くその手元は、指先は、美しくそして色っぽかった。

穂波さんがギターを弾くと知ってもなお、
この曲を弾いてそうにはないなっていう曲調なのもギャップがまたあって、たまらなかった。

歌詞の内容が決して何か、視聴者へのメッセージを含んだものではないこと、
だからといって、どうでもいい歌詞って感じではないことに、
2人の関係みたいなものを勘ぐってしまう自分がいた。

熱くなる、 というフレーズを歌う宮侑の声は男が聞いても色っぽかったし、
その目線は明らかに映ってはいない穂波さんの目を見ていた。










「今のよかったんとちゃう?」

『…ふふ、気持ちよかったね』

「…ほんま。 なぁもっかい、」










歌の後、その短い会話があって動画は終わる。
もっかい、なんなんだろう。

話の流れで妥当にいけば、もう一回撮ろう。だろう。
次は顔も映して、とかもあるかもしれない。自分の思い出用に。

まぁそれが順当で妥当だとはわかっていても、
もう一回キスしよう、だとか
もう一回気持ちいいことしようとか…

その可能性に想像を巡らせてしまってほんと、やっかい極まりない。










そして孤爪さんは、この期に及んでもなお、
穂波さんのことを、 おれの だとは言及しない。
まだあの一本の動画のみの投稿にも関わらず、
フォロワー数も再生回数も伸び続けている話題の、踊り子のこと。











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