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FLYHIGH(ハイキュー)

第8章 それぞれの春高まで


ー影山side

クソッ

思わず全てぶちまけてしまった

橘さんには乱闘覚悟で言いたいこと言えばいいって言われたけど、いざ言葉にするとやっちまったって思う

でも

「俺はどっちみちお前に何を言われても納得できないことは聞かない、だからお前が王様かどうかはあんまり関係ない」

日向はそう言った

「スパイカーが打ちやすい以上に最高のトスはない、それは確かにコミュニケーションで培っていくもの…

でも、ケンカしないってことじゃないと思うぞ」

後ろからコーチに声をかけられてハッとする





『乱闘にはなるかもしれんけど、それでもきっと分かり合える…だってみんなバレーが好きやねんから』

あの時の橘さんの言葉が脳裏をよぎった



新しいセットが始まり、コートに戻りながら考える


単純なことだった

俺はそれぞれのスパイカーの調子と状況を見て、ベストなトスをそこにあげればいいだけだ


月島はタッパもある

実際伊達工のセッターと合わせた時はもっと跳んでたっていう


あいつの打点はまだ上!!

試しにボール一個半!!

いつもより高く上げたボールは合わない

それでも…


「おい、合わせねぇからな」

言い放つと、月島は明らかに嫌そうに

「あっソウ…別にケッコウですケド」


って言ってっけど


跳べんだろ


ここまで!



もう一度高くトスを上げる

いつもより助走距離を確保した月島が走り込む



跳べ!


ドォォッ


月島の手から放たれたスパイクはアウトだった

でも…

アイツの打点はココだった


「跳んだな」


月島に言い放つ


「セッターは支配者っぽくて一番かっこいいだろうがって言ってたこと、すんなり消えるワケない…どんなにいい子ぶろうとしてもお前の本質は王様なのだ!観念するがいい」

日向がそう言いながら近づいてくる

「新コート上の王様誕生だァァッ!」



日向がタオルで作った冠を俺に被せる


奥にいる橘さんと目が合うと、彼女はニコッと笑った


君にはこうなることが分かってたんだな


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