第7章 新しい友達
……誰⁈
私を見つけたその子は、こちらに一直線にずんずん近づいて来る。
一方私は突然現れたその子にビビり過ぎて、卵焼きを口に入れたまま動けずにいた。
「ここにいたのかー!どこに行ったか分からなくて心配してたんだ」
目がくりくりの赤毛のピアスの子は、そう言いながら近づいて来て、そばまでくるとニコッと笑った。
あれ?
この子…
「あ、さっき教室で…」
そこまで言いかけて、思い出した。
私、思いっきり逃げちゃった。
それなのに、わざわざ探しに来てくれたのかな。
それは申し訳ないな…
「やっぱり目合ってたんだな」
「うん、ごめんなさい。恥ずかしくなっちゃって…」
「転校して来たばっかりだし、そうなって当たり前だよ。俺は全然気にしてないよ」
「そっか、ありがとう」
なんか、すごく優しい子だな。
名前なんて言うんだろう…
「俺は竈門炭治郎。炭治郎でいいよ」
「炭治郎くん…」
「うん!君は… 花里柚葉さんで合ってる?」
「合ってる。柚葉でいいよ」
「分かった。柚葉はここでお弁当食べてたんだな」
「うん、外の空気も吸いたかったから」
本当は、息が詰まって逃げ出したくなったんだ…
なんて、そんなこと言えなかった。
なんとなく、炭治郎くんを悲しませてしまうような気がしたから。
そういえば、炭治郎くんはお昼ご飯食べたのかな?
「今日は天気良くて気持ちいいもんなぁ。柚葉、良かったらなんだけど、一緒にお弁当食べないか⁈」
「…ん?」
そんな急に⁈
「えっと…私と?」
「うん!1人じゃ淋しくないか?」
確かに淋しいけど…何話していいのか分からないし、私となんて、つまらないんじゃないかな。
「私の事は気にしないで。皆と食べて来ていいよ?」
「柚葉を1人置いてはいけないよ」
…初めて言われたかも。
本当に優しい子だなぁ炭治郎くんて。
言われ慣れてない私は、もうそれだけで充分嬉しかった。