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君に出逢えて、恋をして 【鬼滅の刃 冨岡義勇】

第3章 再会



あまりにも見つめてくるので思わず笑ってしまった。


「そんなに見つめられたら穴が空くぞ?」

「あっ、ごめんなさい!」

「花里、だな?」


もう分かってはいるが一応確認のため名前を呼んでみると、ぱぁっと表情が明るくなった。


「名前、覚えててくれたんですね!…嬉しいっ!」


あまりにも嬉しそうに笑うので、こちらも思わず口元が緩んでしまう。


「暑いだろう。中へ入れ」

「はい!お邪魔します!」


蒸し暑い玄関から廊下を少し進み、リビングの扉を開けると、ひんやりとした空気が部屋から流れてきた。


「涼しい〜…」

「それは良かった。暑い中歩かせてしまってすまない。俺の方から行けば良かった」

「え⁈全然いいです!私が急に行くって言ったんで!」


炎天下の中来させて申し訳ないと思っていたので、気にしていないと分かりホッとした。

適当に座るように促し、俺はさっき錆兎が用意してくれたお茶と菓子を持って行く。
適当に、と言ったら花里はソファーに座っていたので、そこの前のテーブルに置いて、俺も隣に腰を下ろした。


「ありがとうございます」

「これは友人が旅行に行った土産でもらったものだ。よかったら食べてみるといい」

「わぁ、綺麗な色。紅芋ですね」


つい最近煉獄から「冨岡!土産だ!」と頂いた。
芋のタルトだそうだ。
弟が夏休みに入ったタイミングで行ってきたらしい。
この暑い中沖縄へ行ってきたそうだ。
…熱い男だ。


「冨岡さん、大変です」

「なんだ」

「私、手土産忘れました!」


……。


「そんなことか」

「人の家にお邪魔する時は持って行きなさいと母にいつも言われていたんですが。…すみません」

「気にするな」


別に手土産が欲しかったわけではないので全く構わないのだが、花里はしゅんとしてしまう。
それが叱られた幼子のようで可愛らしかったので、ついぽんぽんと頭を撫でてしまった。

すると、ぽっと顔を赤らめ動かなくなってしまったので、嫌がられただろうかと心配になったが、


「じゃあ…、今度来る時は、冨岡さんの好きそうなもの持ってきますね」


と言ってにこっと笑った。
次があると思ってくれているのかと、また少し嬉しく思った。





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