第4章 友達
ふと円窓から外を眺める。
青い海と、空。
さっきまでどんよりと分厚い雲が空を覆っていたのに、今はからりと晴れて雲一つなかった。
まるで何も無かったように、燦々と降り注ぐ太陽を見ていると何だか薄情な気もしてくる。
一つため息をついた。
これからどうしようか。
それにジョナサンは。
パール島に連れて帰るのはいいけれど、状況はあまり変わらない。
50万ベリーがあるからお金の心配は当分無いかもしれないけれど、結局いつかは無くなるし、人手不足はどうしようも無いから。
どこか他の受け入れ先を探すと言う手もあるけれど…。そう考えて、さっきのおつるさんの言葉を思い出す。
そういえば、この船は今から本島に向かうんだっけ。
あそこには大きな教会があったはず。
シスターはあそこにも電伝虫をかけたかな。
「行ってみようか…」
ミカヅキ島に帰るにしても、どうせ本島に寄ると言っていたし。一つ教会に行くくらい別にどうってことはない。
それでもし受け入れられないと言われたら、その時はやっぱりジョナサンを連れて帰ろう。大変だろうけど、それもそれでいいと思えた。
そこまで考えると、急激に眠気が襲ってきた。
ジョナサンの様子を見に行きたかったのに、1日分の肉体的疲労と精神的疲労の両方が一気にきて、立ち上がれそうになかった。
あたしは深い眠りに落ちる。