• テキストサイズ

マリージョアの風【ONE PIECE】

第17章 岐路(Ⅱ)


そうか、でも。帰る………かぁ。
あの島に。愛しいあの場所に。


しばらくそんなこと考えてなかったな。
以前のように強く帰りたいとも思わなくなっていたから。


みんなにまた会えるのは嬉しいんだけど、ね。



──あたしにはまだ、"やらないといけないこと"があるから。それだけはできないのよ。



…それに。


「このまま帰ったら、あたし、ライと結婚しなきゃいけなくなるじゃないの…」


別にそれが理由なわけじゃないけれど、なんとなく思い出してつぶやくと、意外にもローは少し興味を持ったようだった。顔をあげてこちらを見る。


「…あの赤髪のガキか?」


あたしは無言でコクコクと頷く。


そう、それよ。
赤髪のガキなんて教会に1人しかいなかったんだから、ローが思い出した奴で多分間違いない。もうガキじゃないけどね。


それにしても6年も前の教会の孤児を覚えてたなんて驚きよ。ローは必ずあたしが1人の時に現れたから、ライとは話したこともないに違いないのに。


どんな反応をするのかと思って見てたら、何のことはない、ローは口の端を上げて、


「へェ...」


と、面白そうに笑った。


なんだそりゃ!!
それはどういう笑いなのよ!!


へぇ、結婚するような歳になったんだな。

もしくは、

へぇ、お前と結婚してくれる奴がいたんだな。


どっちかに決まってる。
どっちもかもしんない。


……くそう。


/ 716ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp