第21章 不確かな繋がり
「すげぇ甘い…オマエ、こんな美味い血持ってんなら早く言えよな」
「うぅ……っ」
「ん……んん……っ……」
「ひっく…もう、やめて…」
「やめねえよ。こんなクセになる味、もっと吸わせろ……んんっ……」
「あっ!んんっ!」
「ああ、お花ちゃん、気持ちがいいんだね…ボク以外の男にキバを立てられて善がるなんて…キミは本当に、えっちだな」
「はぁ…美味い…なぁ、もっともっと、吸ってもいいよな」
「っ……いいよ?好きにしたらいいさ」
「そう来なくちゃな…んんっ!」
「ひあぁっ!?や、やだやだぁ…っ!」
ポロポロと涙を流しても、誰も助けてくれないのは分かっていた。それでも何度も嫌だと叫ぶ。
「──お花ちゃん。これが終わったらお仕置きだよ、たっぷりね。だから…我慢しなよ」
「(何でこんなことに、なってるの?どうして…?全然、理解できない。怖くて今にでも逃げたいのに…快楽に負けそうになってる自分がいる。)」
アヤトくんが去った後、私はライトくんにお仕置きされてしまった。ライトくんがああさせたのに…。
私はライトくんのモノ。そうではなかったのだろうか?それなのにライトくんは私をアヤトくんに差し出した。
やはり、ライトくんは似ても似つかない私とコーデリアを重ねて見ているのだろうか。
心が追いつかない。私自身を愛して欲しい。そう思っていても、ライトくんの頭はコーデリアでいっぱいで…。
◇◆◇
【リビング】
「───うるさい!話しかけないで!どうして私のところに…っ…」
「…騒々しい」
「れ、レイジさん…今の、聞いてたんですか…?」
「聞きたくなくとも、そんなに大声で喋られていては耳に入ってくるというものですよ」
「す、みません…」
「まあ、覚醒前の身になら、何が起こっても不思議ではないですがね」
「っ…私は覚醒なんかしません。ヴァンパイアにだって、なりません…」
「まだ受け入れないのですか。貴女は既に我々の元に堕ちて来ているのです。その幻聴がその証拠でしょう?」
「レイジさん…ひとつ、伺っても良いですか?」
「なんでしょうか」
「──自分を、殺す方法を知りたいんです」
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