• テキストサイズ

【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第1章 ずっと昔から【沙明】


今夜は、夕里子を消すことにした。
敵に回ると一番厄介なのはもうわかってるし、夕里子を消したとしても僕や沙明、ツバサには疑いが向かないから。
コメットにしようかとも迷ったけど、彼女は基本的に感情で動くタイプで、カリスマ性もあまりないから夕里子の方が脅威になる。
今日も誰かを隠れ蓑にしてバレないように進めなければ。
翌日のメインコンソールにて、今日も会議が始まる。
本物のエンジニアであるククルシカは夕里子を調べて、人間。
セツはコメットを調べて、人間だったと報告した。
ククルシカと敵対するのはなかなか骨が折れそうだ。
彼女は可愛げと直感、及び演技力とステルスがとても高い。
凍らせようとすれば哀しんで、周りの同情を引くし、こちらが嘘をつくと高確率でバレるから厳重な注意を払わねばならない。
あからさまなラインを作らないように、程々に嘘のない発言をして乗り切らなければ。
「どうした、ライト?一人で抱え込んでいては…辛いだろう」
と思った矢先に、ジョナスに疑われた。
まずい。でも焦るな、ライト。焦って否定したら疑われるぞ。
「え、僕じゃないんだけど……」
あくまでも自然に否定する。
誰か弁護してくれ……!
「ジョナスの狙いは何?私たちの分断?そんな手に乗る訳にはいかないな」
セツが弁護してくれた。ククルシカも身振り手振りで庇ってくれている。
「ライト、気にすんなよ?俺はお前の味方だ、OK?」
沙明も庇ってくれる。うん。君が味方なのは今回のループじゃ当たり前だよ。切られないように頑張るから見捨てないでね。
結局その後、ジョナスが逆に疑われまくって凍った。
まだグノーシアは全員残っている。沙明に会いに行こう。
二人はまた展望ラウンジにいた。ツバサはやはり眠っている。
「やあ、沙明。全員いるし、約束通り話してくれないかな」
「わーったわーった。……まあ座れよ。ちょっと長くなるかもしんねーからな」
自然豊かな風景が映し出された展望ラウンジの床に座る。
それにしても、ここはどこなんだろうか。
「沙明、この風景ってどこの惑星?」
「惑星アースラのとこだ。約束通り話してやるからよく聞いとけよ。俺と……コイツ。ツバサの故郷の辺境惑星」
沙明と……ツバサの…?
/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp