第1章 ずっと昔から【沙明】
「ミンくんと私はずっと一緒にいるって約束をしてたから。……結果的に私が約束を破ることになってしまったし、彼とはそれっきり。つまらない子供の喧嘩みたいな別れ方になってしまったの」
「それで、そのあとは……?」
「…ミンくんに伝達も届けられずに、ずっとそのまま。私は、その後両親がグノーシア騒動に巻き込まれて亡くなってしまったし。一人で旅をするのも悪くないかと思って、ルゥアン星系に来たの。そこで私もグノーシア騒動に巻き込まれて、私はそこでグノーシアになった。」
そうだったんだ……僕はループする時の画面で決められるから、グノーシアにも人間にもバグにもなれるけど、ツバサがグノーシアだとこんな過去が……
「その後、この船に乗ってきて、ミンくんと再会したの。……でも、私はミンくんに嫌われたままだし。あんまり話したくはなかったの。……拒絶されたら怖くて。だから、仮にミンくんが話しかけてきた時は、私は彼のことを覚えていないフリをしようと考えた。ミンくんは船の中の女の子に話しかけていて、胸が張り裂けそうだった。…私にも話しかけてきたけど、昔のことが何かありそうな様子がなかったし。……私は考えを実行に移して、ミンくんのことを忘れたフリをしたの。……昔のことを覚えて互いに気まずいままなら、まだ今の方がマシだって、ミンくんと一緒に話してるだけで充分だって思えた。そのあとは貴方が起きてきて、……後は知ってる通りだよ」
「……ねえ、ツバサ」
「……なに?」
「沙明と、仲直りしないの?」
「…………私は、このままでいいと思ってる」
「……僕は、このままじゃダメだと思う」
「……どうして?」
だって。
「二人には、幸せになって欲しい」
「え……?」
だって、君は
「沙明が、好きなんでしょ?」
「……!?」
彼と結ばれるべきなんだ。