第49章 スビト・フォルテな衝撃【渋谷事変】
「呪詛師は無視して先に進もう。まずは五条君の安否確認だ」
渋谷駅へ向かおうと踏み出した虎杖たちへ、『駄目ダ!』とメカ丸が止めてくる。
『もう渋谷の状況は変わっていル。相手の結界術はコチラの数段上手(うわて)ダ』
メカ丸の話によると、現在 渋谷には四枚の【帳】が下りているらしい。
五条 悟のいた渋谷駅 副都心線ホームを中心に“一般人を閉じ込める【帳】”、“五条 悟を閉じ込める【帳】”、“術師を入れない【帳】”さらに一番 外側に“一般人を閉じ込める【帳】”の計四枚。
「この線路の先も“術師を入れない【帳】”で塞がれていると?」
憂憂の言葉にメカ丸が『そうダ』と肯定する。
つまり、このまま突き進んでも五条の安否を確認するどころか、中へ入ることすらできないらしい。
『すでに待機していた術師たちは【帳】の中だろウ。【帳】の内側では携帯が使えなイ』
「それだけじゃないみたいだ。【帳】外にいるはずの補助監督とも繋がらない」
冥冥がスマホを触るが反応がないようだ。補助監督に外の様子を聞こうとしたのだろう。
『頼む、指示に従ってくレ。俺は今 監視の目を潜ってオマエたちに連絡をしていル』
「真偽はともかく――君が外部と連絡を取っているとバレたら、私たちは君という有益な情報を失うということか。分かった、言ってごらん」
虎杖はメカ丸をしばらく見つめ、左耳につけた。
『虎杖は明治神宮前に戻り、地上から渋谷に向かってくレ。五条封印を術師全体に伝達。五条奪還をコチラの共通目的に据えロ』
応、と気合を入れて返事をする。