第49章 スビト・フォルテな衝撃【渋谷事変】
「あの五条 悟だよ? 何を根拠にそれを信じればいい?」
驚きで声も出せない虎杖に代わり、冥冥が口を開く。
そうだ。五条は現代最強の呪術師だ。負けるわけがない。
封印されたなど、言葉だけで信じられるわけがなかった。
それに対して、メカ丸の息を吐く声が響く。
『悪いが、オマエたちに提示できる根拠は何もない。ただ、俺を信じてもらえるならば、一つ言えることがある。“俺がココにいること”ダ』
「ココにいること?」
虎杖の言葉に、メカ丸は『そうダ』と頷いた。
『俺は十月十九日に真人という特級呪霊に敗北しタ。死にかけていたところを、神ノ原 星良準一級術師に救出されたんダ。今は安全な場所で療養中――と言いたいところだが、俺は高専を裏切った身。今は監視下に置かれ、身動きがとれない』
死にかけたが生きている。そのことにホッとしていると、「それで?」と冥冥が先を促す。
『この傀儡(かいらい)は俺が死んだ場合に備えていた“保険”だ。発動条件は“五条 悟 封印後”――先ほど起動を確認し、術式で操作していル。不発のリスクを低減するため、事前に傀儡を忍ばせるのも三ヶ所までとしタ』
虎杖は高専所属の術師の中で最も内通者の可能性が低く、冥冥もこの状況で完全にシロと確信し、やって来てくれたらしい。
「なぜ?」
冥冥が、自分たちがシロであると判断した理由を尋ねる。