第48章 混乱極まるラプソディ【渋谷事変】
「ハハッ! マジで当たんない‼」
左右で色の違う瞳、ツギハギの顔――高専に来る前に順平が通っていた里桜高校で、星也と虎杖が戦った呪霊か。
楽しそうに笑うツギハギの腕を掴んで投げ飛ばす。
「人間のキショいところ一つ教えてやるよ。いーっぱいいるところ」
ピシッと音がしたかと思うと、天井から雪崩(なだれ)のように一般人たちが降ってきた。
五条は思わず舌打ちする。さきほど雑草が塞いでいた吹き抜けが今さら開いたのだ。
やはり、上にも呪霊か呪霊と組んでいる呪詛師がいる。渋谷に閉じ込めている一般人を次々に投入するつもりか。
やがて【九相図】が両手の指先を合わせ、ツギハギが手近にいた人間に触れる。
『【赤血操術――百斂(びゃくれん)「超新星」】』
『【無為転変――多重魂「撥体(ばったい)」】』
血液が爆ぜ、散弾銃のように広範囲に広がって人間を貫いた。
さらに、ツギハギの合わせた改造人間の拒絶反応によって、爆発的に高められた質量が五条に向けて放たれる。
どちらの攻撃も無限によって弾かれるが、巻き込まれた一般人たちの身体は弾け飛び、原型すら留められていない者もいた。
さらに跳躍した火山頭が拳を握りしめて迫ってくる。殴りかかってきた拳を無限で逸らし、火山頭の腕を掴んで投げ飛ばそうとするが、掴んでいたのは腕の先だけ。
自分で自分の腕を切り落としたのか。呪霊にとっては自己修復なんて、傷に唾をつけておくようなものだもんな。