第24章 悪夢の再来
『桜雪…お前は俺を抱きしめる時はそこまで力が入ってねェの自覚あるか?』
『え?そうなの?』
『あァ…それはなんでなんだろうなァ?』
実弥はニヤリと微笑んで言った。
『傷つけたくないから…あっ!!』
『やっと気づいたかァ…お前は昔…師匠から暗示をかけられ、自らも暗示をかけてただろォ?〖人は襲わない。人は愛し、守るもの。〗今度はお前に俺が暗示をかけてやらァ…』
桜雪は実弥の言葉になんだか恥ずかしくなった。
何故か?耳元で語りかけられたから…
それからというもの…
実弥は桜雪に必ず寝る前に
〖桜雪…愛してる…人は愛し、守るものだァ…夢の中でも俺も他の奴らも襲うなよォ…おやすみ…〗
と本当に毎日…暗示をかけるかのように言ってきた。
そのうち、桜雪は力の加減を覚える事が出来た。
相変わらず…日光対策はしないといけないことは変わらないが、剣道部には復帰出来た。
日常生活も何とか上手く行くようになった。
卵も割れるようになったと分かった時は嬉しくて桜雪が実弥にオムライス弁当を作った事もあった。
実弥は優しく微笑んで
『美味いぜェ?ありがとなァ…良くやった。』
と褒めてくれた。