皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第54章 夢中になって 【サボ】
頭を撫でられ、部屋を出ていった彼。
「…」(そんなに…後輩の子が可愛いの?私には…最近全然夢中になってくれない…。)
嫉妬するのも、やめてって注意するのも、なんかもう疲れた。ただの後輩だったらこんなに嫌っていない。腕を組んだり、距離が異常に近くて、好意があるのが丸わかりだから。彼女は私なのに、私を優先してくれない。
「…もう…いいや…。」
その日から、サボが後輩と出かけようが何をしようが何も言わなくなった。それでも…見ているのは辛い。
「…サボ。」
サボ「んー?どうした?悪ぃが話なら後でいいか?ちょっと急ぎの書類があって…。」
「すぐ終わるから。」
サボ「ん、どうした?」
「…」(好きだったなぁ、こうやって…どれだけ忙しくても話聞く時は手を止めてくれるところとか…。)