第15章 高嶺の藤に手を伸ばす$ 炭治郎裏夢
「那岐さん、あの時言いましたよね?いつでもいらっしゃいって…」
「…………………」
遊廓の時の話だろう。
確かに誘い文句を口にした自覚はある。
うーん…
「炭治郎君。じゃあ、今日一日だけ…君のものになるというのは、どうかしら?」
「へ?」
「でも、この事は誰にも秘密。柱以外の隊員とこういうことしたって分かると私も動き辛くなってしまうし……だから今日一日だけ……先に片付けて布団を敷きましょうか」
今日一日だけ…
那岐さんが俺のモノに…
「炭治郎君?」
「はいっ!」
「炭治郎君、私先に湯浴みをしたいのだけど…」
「え?あ、その…そのままで!」
「え?きゃっ!」
ドサッ。
炭治郎に布団の上に押し倒される。
「俺、那岐さんの匂いが好きです」
スンスン。
うなじの辺りを嗅がれ那岐の体がピクリと震える。
そんなに必死に嗅がれると、恥ずかしいのだけれども……