第15章 高嶺の藤に手を伸ばす$ 炭治郎裏夢
「私は、鬼と言えども半端者なのです。人の血肉を喰らわず、性を喰らう」
性を喰らう?
炭治郎が首を捻る。
それもそうだろう。
炭治郎の様に少年に近い年頃なら、尚のこと。
恋人も居なければ、恋愛もまだかもしれない。
「炭治郎君。私は君が思うほど純粋ではないし、綺麗でもないの。私が鬼殺隊にいるのは食事のためよ」
「食事……」
「普通の鬼が飢餓状態になって人を喰らうように、私は人の性を喰らう。でもね、私の体質は鬼としては異質」
ふうと那岐が一息吐く。
何か思案している様子だ。
「私にとっては鬼殺隊が遊郭と言えば分かりやすいかしら?」
鬼殺隊が遊郭…?
遊郭は男性が女性を買う場所で。
それなら那岐さんは……
「ただし、決まりがあるの。闇雲に性行為を行ってはいけない。私が食事をするのは相手が傷を負って居るときだけ」
「傷?」