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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第10章 裁判と約束


「更紗の力に関しては、俺が解明していかなくてはいけないことです。あと、本人に確認してからお館様にお伝えしようと思っていましたが……恐らく更紗の力は月日を追うごとに強くなっています。近々胡蝶と約束と取り付けましたので、そこで何かしら判明すれば、お館様に詳しい事をご報告できるかと」

お館様は何か考え込むように指を顎に当て、視線を畳に向けるも、すぐに顔を上げて杏寿郎へ視線を送る。

「棗が亡くなった事と力の強まりが重なって、前に鴉で伝えてくれた紫の炎が発現したのかもしれないね。力が強くなればなるほど、鬼殺隊にも鬼にも大きな力になり得るので、これからも注意深く更紗を見守ってあげてほしい。こちらも何か判明したら伝えるようにするね」

ただでさえ鬼舞辻に狙われているのに、力が強くなることによって体に害は出るし、更にはそれが鬼側に伝われば鬼舞辻の執着も強くなるだろう。

日に日に命の危機が強くなる更紗を思うと杏寿郎の胸は痛むが、それをお館様の前で訴えても仕方がない。
すでに更紗の事で、自分と同じくらいに気をもんでいるのだから。

今は自分のなすべきことをなす事が鬼殺隊の為にも更紗の為にもなると思いなおし、お館様へ溌溂とした表情を向けた。

「更紗の事はお任せください。守り育てると心に決めております」
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