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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第23章 上弦と力


「大丈夫か?!すまない、手間を取らせた」

「いいえ、私こそ守っていただきありがとうございます。それより猗窩座の様子が……」

2人が苦しげに顔を歪める猗窩座に気を取られていると、いつの間にかこちらに合流していた義勇と炭治郎に肩を叩かれた。

「月神、俺たちの怪我はもう治った」

「だからもう更紗の傷を塞いでくれ。血……戻らないんだろ?でもありがとう、お陰で元気になったよ!」

義勇の足りない言葉を炭治郎が補うことにより意思疎通が出来た更紗は傷口に隊服を押し付けて血を止め、即座に傷を癒し造血薬を腕に打って貧血を防ぐ。

「お力になれて何よりです。あの……杏寿郎君、冨岡様、炭治郎さん。猗窩座の相手は私にさせていただけませんか?」

とんでもない案に言葉を失う義勇と炭治郎の反応に対し、杏寿郎は猗窩座に視線を固定しながら首を左右に振った。

「何度も言うが何が起こるか分からない以上、更紗1人に鬼の相手はさせられん。鬼は狡猾な生き物だ、先ほどの表情が君を油断させるための罠だったらどうする?」

「そう……ですよね。ただ恋雪さんという方は間違いなく猗窩座の大切な人だったはずです。記憶の欠片が私に対して攻撃出来ない理由だと思います。猗窩座は……私が日輪刀で腕を切ろうとした時に攻撃しようとしたのではなく、止めようとしたのではないでしょうか?」
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