第21章 秘密と葛藤
柱が柱の継子になることなど有り得ないので、杏寿郎が更紗の継子になることは生涯叶わないが、更紗にとって杏寿郎や圭太の言葉は胸の中を暖かくするものだった。
「ありがとうございます!皆さんを落胆させないよう、私も日々鍛錬を続けますね!よろしければ皆さん、私が研究から帰った時に手合わせお願いします。治癒をかけ続けますので、疲れ切るまで動き放題ですよ!」
良かれと思って言っているのだが、それこそが噂をたてられる要因だと本人は気付いていない。
そして純粋で真っ直ぐな炭治郎はそれに喜んで名乗りを上げた。
「それは凄いな!早速明日お願いするよ!……それにしても、更紗や煉獄さんの顔の痣、1ヶ月前まで普段は出てなかったのに、今は目視出来るくらいにくっきり出てますね!」
ここ数日、更紗に課せられた厳しい稽古、杏寿郎は柱との手合わせで痣が常に発現するようになってきたのだ。
それは実弥や無一郎も同じくである。
「出てきたのはほんの数日前からだがな!俺は男なので痣が常に出ようが特に外見的に気にはならないし、柱的には喜ばしい限りなのだが……更紗は大丈夫か?年頃の女子なので、気にしているのではと思っていたのだが」